解放ーLiberation
- Junko Saragih
- 6月16日
- 読了時間: 5分
更新日:9月18日
信じる心の飛躍:描かれた癒しと新たな始まり
母になる夢が叶わなかった私が、喪失の中で筆をとり、再び人生を描き始めました。
「創造すること」が私の魂を癒し、目覚めの道を照らしてくれた記録です。
この記事は、2022年10月9日に英文投稿した内容を日本語に再編集したものです。
本記事をお読みいただく前に、ぜひ『目覚め旅』のブログからご覧いただくことをおすすめします。

目次
1.願いの星
2.確信と喪失
4.問いの光
1.願いの星
私はこの絵を、2022年3月に描き始めました。
それは、私にとって最初で最後の胚移植が失敗に終わった直後のことでした。

私は、いつか自分が母親になるものだと、ずっと信じていました。でも、乳がんという出来事が私の人生に現れたことで、その未来は大きく揺らぎました。
抗がん剤治療を始める前、私は体外受精(IVF)を受け、1つの胚を授かることができました。当時40歳だった私は、担当医から「成功の可能性はとても低い」と告げられ、
「最悪のケースを想定しながら、最善を願ってください」と言われていました。
だから、胚ができたと聞いたときは、本当に嬉しくて勇気づけられました。その存在は、まるで私の“北極星”のようでした。吐き気や副作用という嵐のような日々を航海するための、大きな希望だったのです。

治療後、身体が少しずつ力を取り戻していくのを感じながら、2年の歳月をかけ、移植の準備を進めていきました。
2.確信と喪失
そしてついに、その日がやってきました。
すべてが自然に整い、まるで何か大きな流れに導かれているかのように感じていた私は、
「きっと大丈夫」と、深く信じていました。
あの日の情景は、今も鮮明に心に残っています。真冬の2月、まだ夜明け前の静かな空に、満月と金星がキラキラと輝いていました。まるで星々が、私の新しいはじまりを祝福してくれているように感じたのです。

疑う余地など、ひとつもありませんでした。「私は母になる」――それが確信でした。
だからこそ、結果を見た瞬間、私は真っ白になりました。
「そんなはずはない。これは、ただの悪い夢だ」と。
私の側にいた夫の目を見たとき、そこに映っていたのは、
私自身の深く静かな悲しみでした。

そして、私は泣きました。
がんの告知を受けたときよりも、もっとたくさん、もっと深く泣きました。
「母になる」という願いと、そこに重ねていた私自身のアイデンティティが、音を立てて崩れていく――それはとても恐ろしく、受け入れるのがつらい現実でした。私は悲しみ、怒り、そして「宇宙に裏切られた」とさえ感じました。

数週間は、目に見えない夢の喪失を静かに深く悼みました。
でも、がんの経験から私は知っていました。どんなに苦しい体験も、受けとめ方次第で、魂の大きな変容へとつながるのだということを。
私には選択肢がありました。この慣れ親しんだ「暗闇の領域」にとどまるか、
それとも、新しい視点で人生を創造するか。

3. 筆を取るという選択
私は後者を選び、筆をとって描き始めました。
完成のイメージはありませんでしたが、「この道の先には何かがある」と信じていました。
「私は、いま必要な場所にいる」――そう自分に語りながら、内なる創造の力を“北極星”にして、筆を動かし続けました。
6ヶ月間、絵は生きるように変化し続けました。ひとつとして、同じままの形はありませんでした。すべては常に、動きの中にありました。

4.問いの光
そしてある日、こんな思いがふと浮かびました。
「母親になりたい』という願いは、どれほど自分から生まれたもので、どれほどが社会から与えられた価値観だったのだろう?」
私たちは社会的な存在です。私たちの考えや行動は、育った環境や所属するコミュニティによって大きく影響を受けます。
今の時代においても、女性は「妊娠し、母になることが自然である」と期待される風潮があります。でも、すべての人が身体的に母になることに適しているわけではありません。また、魂の目的において、それが必ずしも必要とは限らないのです。
私たちの本質は、愛です。その愛の周波数で現実を創造し、見ることは、誰にとっても自然なことです。それは、人間の子どもを育む女性だけの特権ではありません。
私の内なる創造力は、絵や文章という形で生まれてきます。私が友人や家族、動物、自然に向ける愛は、紛れもなく本物です。
この新しい気づきを通して、私はようやく
**「自分の進化と調和しないものを、静かに手放す」**ことができました。

5.ニューアースという選択
私たちは、魂としてこの地球に生まれ、今という時代に「意識の大きなシフト」と「目覚めのプロセス」を体験しています。
“ニューアース”――そこは、まったく新しい現実の世界。私たち一人ひとりが、自分の最高の本質を生きながら、それぞれのギフトを分かち合い、共に創造していく世界です。
でも、まったく新しいものを創る前には、古いものを手放し、壊す必要があります。
混沌(カオス)は、新たな可能性が生まれる起点です。
今の世界がどれほどストレスに満ち、混乱し、希望を失いそうに見えても、それらはすべて、私たちの進化という“誕生プロセス”の一部なのです。
私たちは個人として、制限的な信念を手放し、本来の自由と主権を取り戻し、自分自身の未来を、自らの手で望む方向へと舵を切ることができます。今、世界がどんなに不安定で混沌としていても、それは私たちの進化にとって、必要な「産みの痛み」かもしれません。

6. 私の物語を描いていく
私たちは皆、それぞれが自分の人生という物語の「主人公」であり、そして「書き手」でもあります。
私の物語において、「妊娠と出産」という章は、ひとつの区切りを迎えました。でも、新しい章が、今まさに始まったのです。
私がこれから向かう場所は、光と愛、自由と創造性に満ちた場所。
おいしいごはんがあって、たくさんの絵が生まれていく場所。
43回目の太陽のサイクルの門をくぐるこの年に、私は、どんな体験にも心を開きながら、
自分だけの人生というストーリーを、一筆ずつ描いていきたいと思っています。
たくさんの愛を込めて。
Junko
(2022年10月9日 記)
(以下の写真は、私の絵画の進化を示しています。キャンバス上に自然と現れたイメージたちは、私を癒し、力を与え、創造の光を灯してくれました。)








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